まどろむ私
これは夢のつづきなのだろうか
目覚めたはずの自分がまた夢の中にいる
さめることのない夢は死の予感
暖かい闇は誕生の記憶
輪切りにされた現在だけが
終わりのない永遠の時を刻む
夢と現実が幾重にも入り乱れ
錯綜する虚構の迷路の中で
繰り広げられる禁断のエロス
男と女、人間と人形がつむぎだす出口のない愛と性
ヒトガタの迷宮と闇を追いつづける岡本芳一が描く
倒錯と死に隣接する耽美と幻想の世界
この物語はどこまでが夢でどこからかが現実であるのか
境界が定かではない。
男と女のラブストーリーではあるが現実の人間世界のものではない。
〈モノ〉と〈生きモノ〉 〈死〉と〈生〉の間にある迷路に迷い込んだ
果てしない夢の物語である。
岡本芳一